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  • 執筆者の写真nobuhiro nagai

黄金世代とミレニアム世代の違いはどれくらいあるのか?


今朝は雨空で花粉症にはしのぎやすい日となりそうですが、もうひとつの脅威であるコロナウイルスのリスクは天気に関係なく依然厳重注意レベルが続ています。今日あたりからリモートワークとなる企業もある様で、地方自治体によっては学校への積極的な臨時休校を奨励しているとの報もありました。 昨日は連休明けの日経平均株価が大きく下がったそうで、東京オリンピックを始めとするスポール関連イベントの対応や先行き予測なども朝のワイドショーで取り上げられていました。今週辺りから、社会全体への影響が出てきている様に感じますが、ゴルフ業界はまだ影響が少ない方でしょうか? でも、ゴルフに限らず中国の生産工場に頼っている品々は、現地の工場がストップしているとの事。今月発売となったアメリカンブランドの新作ドライバーは、第二ロット以降の生産が止まっており、入荷の予定がまだ見えないとの噂もあります。ご興味のある方は、早目の対応がベターかもしれませんね。


さて、昨日初売された3/10号週刊ゴルフダイジェストに掲載された「混ぜるな、危険!」。あらためて読んでみましたが、キーワードはトップから切り返してクラブが身体の「背中側 or 前側」のどちらを動くか?となります。より細かく言うなら、「切り返してから背中側にクラブが留まる時間が長い」となります。 この「留まる」は週刊GDが選択した表現で、より多くのゴルファーが理解しやすい言葉という判断でしょう。私は「背中側にクラブを預ける」と表現しています。「留まる」と「預ける」では、動きのニュアンスや質感が全然違います。ゴルフクラブの意思として背中側に留まろうとはしてくれないので、ゴルファー自らがクラブを背中側に預けに行かないとです。 特に、多くの悩めるアマチュアゴルファーの場合、切り返しからボールを打ちに行こうとして両腕が身体の前側に出てしまい、フェースが開いてしまうなどのミスが発生しているケースが殆ど。



それを前側から見たクラブの動きの矢印を付けるとこうなります。いわゆる円の動きの上半分、地球儀で言うなら北半球です。トップ位置は北極の辺りになりますが、切り返しから両腕が前側に出てしますスイングは、北半球から東向き(ターゲット方向)への矢印で南極にあるボールに向かいます。これを「スイングプレーンがアウトサイド」「スティープなダウンスイング」と言います。


これに対して北半球で背中側にクラブが留まる時間があって、そこから身体の前面に腕が戻りながら南半球にクラブが下りてきて南極へと向かうスイングでは、矢印がこうなります。北半球では背中側にクラブが居るので、ターゲットと反対側に向かって西向きの矢印となるのが特徴です。

そして、それが現代型のスイングでは、背中側にクラブが留まったまま、骨盤と体幹の回転でインパクトへ向かうので、腕が身体の前側に出ないままインパクトを迎え、クラブが動きたがっている方向としては、南半球に下りてきても西向きの矢印のままとなります。これがフェースが開くチカラなどのエネルギーロスを減らして高効率で曲がらないインパクトとなります。


この様な仕組みを、今週号の記事に向けて担当編集者とやり取りしている際に、たまたま別件の取材依頼で、JLPGA開幕に向けて黄金世代とミレニアム世代のスイングについてのコメントを求められて、あらためて話題の選手たちのスイングをチェックしてみました。


今期のJLPGAツアーで活躍が期待されるこの両世代ですが、学年差は2年との事。もちろんその2年の間に、黄金世代の選手たちは素晴らしいプロゴルファーとしてのキャリアを積んでいますが、スイング技術的に見ると、現代的な要素はミレニアム世代の選手の方が色濃く見えます。


やはりこの2年の差における、クラブの進化や技術のトレンドなどの違いは、ゴルファーの技術に影響しているのでしょうか?


先日のレッスンで、生徒さんが手にしていたのはテーラーメイド「SLDR」。スライド型可変式ウエイトをフェース面の近くに起き、浅くて低い重心特性での強い弾道がウリのモデルだったと思います。


しかし、生徒さんがSLDRを打つと、時折り大きく左に引っかけてしまいます。それ程、スイングのミスが起きている様には見えません。


ちょっとSLDRを手に取らせて貰い、ワッグルしてみたましが、やはりかなり浅い重心特性が際立ち、ヘッド後方の重さとのバランスで考えると、フェース面側に重量が集まり過ぎていて、ヘッドの挙動が敏感な印象です。


その辺りを生徒さんに説明し、ヘッド後方の重さを意識しながら打って貰うと、弾道が安定しました。「捕まえよう!」と言う気持ちに対して、フェース面側の重さが敏感に動き過ぎてしまい、引っかけが出ていたと思われます。


これだけヘッド挙動が敏感だと、現代のツアー選手も安心して出力を上げてボールを打つ事は出来ないでしょう。


最新のSIMシリーズから見ると、SLDRはかなり不安定で操作が難しく感じます。クラブトータルとしての完成度では、2段階くらいは差がある様に思います。


このSLDRは2013年のモデル。2年後の2015年がMシリーズに突入して「M1ドライバー」が発表。このふたつを比較して見ても、だいぶ打ち手の安心感は違うと思います。


2020年の「SIMシリーズ」に対して、2年前となる2018年は「M3.M4ドライバー」。M1.M2に対して外形デザインを大きく変えたのが印象的で「ツイスト・フェース」が採用されました。


このふたつの間にも、何となくハッキリとした違いがあるのは感じます。


この様に、今のゴルフクラブの開発ペースから見ると、2年はかなり短い時間で、大きな差があると見ていいのではないでしょうか?


故に、2年の差があると言う事は、全く違うスイング技術がクラブによって作られる可能性があるのか?と思いました。


この両世代を代表する、畑岡奈紗選手と安田裕香選手のスイングが対象的で興味深いです。次回はこのふたりのスイング動画を交えながらの解説としたいと思います。



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