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  • 執筆者の写真nobuhiro nagai

背中に預けたら古武術的になった

昨日は高田馬場でのレッスン。やはりコロナウイルスの影響か街に人の気配が少ないので、定点観測的に人気とんかつ店でのランチを試みましたが、こちらは普段通りの混雑ぶりで、観測をあきらめてラーメンを食べました。 しかしながら、ラスト枠のレッスンを終えて特急電車で帰宅しようとすると、特急電車を待つ人の列は普段の半分。やはり、街から人は確実に減っている様です。 今日も高田馬場レッスンから四ツ谷に出て会議という日程です。四ツ谷の会議の後は、荒木町にての打ち上げが恒例ですが、このご時世につきどうなるのでしょうか?十分に予防には気をつけたいと思います。 さて、昨日はゴルファーレで月刊ゴルフダイジェストの取材がありました。お題は「慣性モーメントとは?」みたいな感じで、あらためて慣性モーメントとは?というところから入り、それがゴルフプレーやスイングにどう関わって来るのか?というふたつを再確認する内容と理解しました。 そもそも慣性モーメントとは「物体の回転に対する動き難さ」を現す数値で、その「動き難さ」が、時に「スイートエリアの大きさ」になって「ボールが曲がらない」という事の指針になる事や、クラブを手にしてスイングした時の振り心地を「振りやすい or 振り難い」「軽く感じる or 重く感じる」といった感覚を現す目安になったりします。 ゴルフクラブには4つの慣性モーメントがあります。慣性モーメントを計測するときには、必ず支点(軸)が必要になるので、その支点を何処に置くか?で4つに分類できます。 ①ソール面のヘッド重心位置を支点→ヘッド左右方向の慣性モーメント ②ヘッド重心位置をヒール to トゥ方向に貫く線を支点→ヘッド上下方向の慣性モーメント ③シャフトを軸として→ヘッド重心位置のネック周りの慣性モーメント

④クラブバランスポイントを支点→クラブ全体の慣性モーメント これが、ゴルフのプレーやスイングに対して、 ❶スイートエリアを左右に外した時のロスや曲がり難さやヘッドの直進性 ❷スイートエリアを上下に外した時のロスやインパクトロフトの安定 ❸スイング中にフェースを開いて閉じるという動きの操作性(捕まりやすさ) ❹クラブをスイングした時の振り心地 かなりザックリとした機軸ですが、こんな関係性があります。 今、新しいドライバーの宣伝文句で出てくる慣性モーメントは、①のヘッド左右方向の慣性モーメントで、いわゆるスイートエリアが大きくなる為、芯を外した時のエネルギーロスと曲がりが少ないという性能が出るので、それを「曲がらない」「飛ぶ」と結び付けている訳です。 なので、オートマチックに慣性モーメントが大きいドライバーが飛ぶクラブという訳ではなく、スイートエリアが大きいというメリットが向上しているのに比例して、ゴルファーに対して「スイングの出力を上げる」努力を促しているのが、慣性モーメントが大きいドライバーとゴルファーの適正な関係です。

なので「スイングの出力を上げる」努力をしなければ、「曲がらない」「ロスが少ない」の恩恵は受けられても、別世界の「飛び」にはたどり着けません。ここをどう考えるか?で、私はせっかくクラブが可能性を拡げてくれているのだから、それにトライした方がいいと思っています。 そしてその検証を、左肩を痛めた事による低ヘッドスピード状態で検証しています。だいぶヘッドスピードは上がって来ましたが、まだ40m/sくらいでしょう。一時は38m/sでしたから、白マークからのプレーは余裕をもって周れる様になりました。


その中で大慣性モーメントドライバーに対して身体の出力を上げるスイングの特徴として、テークバックの頂点からトップに収めて切り返していくという流れの中で、クラブを背中側に預けるのが重要となり、現代のトップ選手でドライビングのスキルに長ける選手には必ず見られます。


方や、大型ヘッドをあまり得意とせず、ミニドライバーやストロング3Wの活用が話題になる選手のスイングを見ると、切り返しから腕が身体の前側に下りて来ていて、その結果プレーンに入った時にはフェース面が開く方向に倒れています。


現代的な大型ヘッドを使いこなすドライビング技術を持った選手は、背中側にクラブを預けたままヘッドがプレーンにたどり着きますが、そのヘッドは開いておらず、シャフト軸に対してスクエアな状態でインパクトへ向かいます。


スイング技術的にこの差はかなり大きく、プレーンに対してヘッドが開く方向に倒れてしまうと、インパクトまでにそれを戻してスクエアでボールにコンタクトしなければとなり、それに対して身体を止めと軸やカベを作って手元でフェースを返す作業が入ります。この時にトゥダウン方向のチカラが発生するので、インパクトで手元が浮き上がる事も起きやすいです。


これに対して、背中側にクラブを預けたままインパクトを迎えるには、骨盤と体幹が動き続けねばならず、そこに身体の動きが出力MAXな状態となる糸口があります。これはスイングの仕組みですから、年齢体力性別は関係なく、身体の動きの出張を上げる事には、トライ出来ると思います。


この出力MAX系の現代的な背中側にクラブを預けたままのスイングの具現者が、ミレニアム世代の安田祐香選手です。


スロー動画でよくわかりますが、クラブを背中側に預けたままなので、インパクトで骨盤がアドレス時よりもほぼ左向き90度くらい回っています。


これは腰の回転でスイングスピードを上げでいるのではなく、背中側からクラブが身体の前側に出て来ていないせいです。


故に身体(上半身)の正面にクラブが収まるのが、フォロースルーでクラブヘッドが一番ターゲットに近づいた辺りです。なので身体の正面から左側にクラブがパスしていくのは、ヘッドが反ターゲット方向に反転していく頃となります。


このミレニアム世代のふたつ上にあたる黄金世代をアメリカツアー参戦でリードする畑岡奈紗選手のスイングは、安田選手と対象的です。


畑岡選手のスイングは、切り返しから両腕が身体の前側に向かうので、プレーンに対してフェースが倒れて入って来ます。そしてそれをインパクトに向けて起こしてして行く動きの中で、柔らかくボールを拾い繊細なタッチでのアイアンショットが持ち味か?と思います。


インパクトでフェースを戻してボールを拾う際に、伸び上がり方向に身体をロックさせてカウンター動作を効かせるのも特徴的。やはり、男子ツアープロのヘッドスピードでは、ちょっとキケンな動きですが、女子ツアープロのヘッドスピードだとそこまで曲がらずに、キレや飛びに繋がって来るのだと感じます。


さて、こんな事を毎日考えている訳てすが、昨日の空き時間に、この「背中に預ける&出力MAX」の組み合わせを練習してみました。


切り返しにおける、左脚から骨盤にかけてが動いて行く方向と、右背中にクラブを預ける動きの掛け合わせをイメージしましたが、画像に撮ってみると、まるで古武術の抜刀の型の様です。


しかし、これで実際に打ってみると、かなりクラブが背中側に預けられますね。


また、今日も練習してみたいと思います。

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