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  • 執筆者の写真nobuhiro nagai

真っ直ぐな軌道は全然真っ直ぐじゃなかった

3月の国民的自粛生活2日目の昨日。まずまず確定申告作業もこなせて、夜の東銀座レッツゴルフでのレッスンに向けて夕方から外出しました。やはり電車は空いていますね。まあ夕方の上り線で実働層とは逆の動きですが、混み具合は普段の半分くらいに感じます。 しかしながら、レッスンを終え帰宅の際に利用した20時を回った頃の西武池袋線急行電車は、やはり満員電車。それでも普段はひとつ目の停車駅である石神井公園駅までは身動きが取れない混雑ですが、昨夜はとりあえずスマホが操作できるくらいのスペースがありました。 濃厚接触という定義により、スポーツ界やエンタメ界など各種イベントが中止や延期されていることを考えると、首都圏では日々この様な状況が続いているというのは、果たしてどうなのか?と感じました。 今朝のニュースではインドが日本向けの入国ビザの発給を停止したとの事。米国も同様の措置を検討しているという情報もあります。来月には今年初のメジャーとなるマスターズが開催されますが、その頃までに更なる問題が懸念される状況となりそうです。 それでもまだゴルフ場からはゴルファーの姿が消えていない模様。金曜日にラウンドする事になったので、昨日、予約サイトを覗きいくつかコースを検索しましたが、何処もけっこう混んでいました。ホテル業界や航空業界のイメージだと、ゴルフ場もキャンセル続出か?と思いましたが、まだそこまでの影響は出ていない様子でした。 ゴルフ業界人としては、大変ありがたい事だと思います。私も引き続き、ゴルファーの好奇心を刺激してゴルフへの行動が停滞しない様、このブログで努力したいと思います。 さて、昨日のテーラーメイド「SIMシリーズ」についての記事は、おかげさまで多くの皆様にご覧頂きました。内容としてはSIMのヘッド特性とゴルファーがやらねばならない事の関係を矢印を使って整理し、従来型スイングと現代型スイングの違いやクラブが導くスイングとの関係などを説明ました。 私はいろいろな分野に目を向けてそこから学び、それを素に自分で考えた事や感じた感覚を、独自の表現や言葉に置き換えるという事に、長年取り組んでいます。その中でそれらに比喩を当てはめる事や記号化したりして、分かりやすさと共有しやすさを狙っています。 最近は、様々な計測器があって、ゴルフスイングの仕組みや弾道の結果などを数値で現す事が出来ます。それをベースにして、パフォーマンスの改善や数値の向上を目指すのが、効率のいい上達法とする流行りもあります。 これは私が学んだ古武術の型稽古の考え方にある「真行草」で見ると、計測器の数値は「真書」。そこから技として発展させていくのが「行書」。そしてそれを高次のレベルで無意識化で使いこなし術として高めたのが「草書」となるでしょう。 剣術の一本目の型の名は「涎賺し」。これはチカラでぶった切るのを先ず否定するために、下から上への刃筋での引き斬りから絶対的な剣の存在を知るというのが狙いです。この「涎賺し」という名の由来は「赤子が顎のよだれを右手でぬぐう時の動き」で、これが草書の世界です。 楷書的に説くなら「右手首の舟状骨を凸型に隆起させて固定し、肘の屈折により前腕を挙上させて顎のよだれをぬぐう時の動き」となるでしょう。 現在は計測器が主流になった事で、ゴルフ界の達人であるべきツアー選手たちが、楷書的なモノによりどころを求めているという状況です。これは面白い事だと思います。その昔の達人は長嶋茂雄さんを頂点に、擬音や擬態語などで自分の感覚を表現していた訳で、これはまさに草書的。これぞ「術者」ならではだと思います。 やはりその辺りが男子ツアー人気低迷の理由と言われる「今の選手は個性が無い」とか「見ていて面白くない」と言われる所以なのかもしれません。「術者」ではなく「ゴルフの上手い人」にしか見えないのでしょう。 そういう意味では、USPGAツアーはオーラ出まくりの「術者」に溢れています。やっぱり見ていて面白いですよね。 私は2016年の秋にラスベガスで開催されたUSPGAツアー「シュライナーズホスピタル for チルドレンオープン」を見学に行きました。その時に、同行してくれたのはジューシー株式会社の代表松吉宗之さん。 当時、松吉さんはフォーティーンで設計を担当しており、USPGAツアー選手へのヒアリングやアメリカのスタッフとのミーティングなどが目的の出張で、私もご一緒させて頂きました。 その時に、フォーティーンのUSPGAツアー担当のレップRさんから聞いた話しを思い出します。Rさんが言うには「もう選手たちはトラックマンを信用していない」との事。 ジョージア州出身のアメリカ人レップRさんが言うには、 「今のドライバーは、ヘッドが戻ってこないというのを選手たちも感じている。それをかなり左に引っ張り込みながら振って、真っすぐのボールを打っているという感覚があるのに、トラックマンは『スイング軌道は真っすぐだ』と言う。自分がやっている動きと、評価が全然違うという事を選手たちは理解し始めていて、トラックマンは風や環境などの変化による弾道測定だけでしか信用していないんだ。」 これは4年前の話しです。トラックマン自体も、その後バージョンアップを重ねており、クラブの動きに関するデータの精度も変わってきていると思われますが、昨日のSIMシリーズの話しで書いた矢印の合成について、USPGAツアー選手には明確な感覚がこの頃には既にあったという事です。 それを反映してのクラブ開発が、M6からのSIMシリーズとなるのでしょう。クラブヘッドが動きたがる方向と、身体が動いて行く方向が全く違い、それを掛け合わせてターゲットラインに対して真っ直ぐ打ち出すという技術が、大型ヘッドが導いた世界です。 そんな事を考えながら、昨日はレッツゴルフにやや早目に到着したので、点検も兼ねてトラックマンで少し打ってみました。特に数値には拘らず、この前の日曜日に神戸ポートアイランドゴルフ倶楽部(PIGC)で怪我の功名的に掴んだ、右ヒップのピンボール的イメージを練習してみました。 このピンボール的イメージとは、スイング動作に矢印を付けて行きながら考えると、先ず上向きの矢印でテークバックしていきます。そして頂点から下りてくるクラブの矢印を背中側に向けるのですが、その背中側に下りて来た矢印を、右のヒップのところにあるスティックで前側(インパクトゾーン)に弾いてあげてインパクトするという感覚。 ピンボールのゲーム盤の中(プレーフィールド)を下って来たボールを、タイミングよく左右の羽根(フリッパー)で弾き返す、あのイメージです。下って来たボールが背中側に下りて来たクラブ、弾き返すフリッパーが右ヒップです。 これはPIGCの練習でスティックをベルトホールに通した際に、右腰にあるスティックに対して、ボールを弾き返すフリッパーに見立てるイメージが生まれたましたので、昨日はその背中側に落ちて来たクラブを右ヒップのフリッパーで前(ボール方向)に弾く練習をしてみました。 こうなると、骨盤をひと固まりで回転させるのではなく、右腰の矢印を身体の正面方向(前)に向けるので、入れ替え動作的に左腰は身体の後方(背中側)に矢印を作らねばです。骨盤を左右別の矢印で分けて使うイメージは、ゴルフ歴40年で初の事。 この左右の股関節を前後に入れ替えて使う動きは、故若林貞男プロの「Z打法」やニック・ファルドのインタビーにもありますが、腰の回転によるトルクではなく、右背中に向けたクラブの矢印を身体の前側に弾き出してインパクトへと向かうフリッパーの役割を、右ヒップに持たせる事とリンクしていたんだと理解出来ました。 そう考えると、マキロイのフリッパーは、物凄いエネルギーで背中に下りてくるクラブを弾き出しています。現代型として注目の安田祐香選手も、右背中側に下りてくる矢印と右腰のフリッパーの関係がよく現れています。 昨日はこんな感じで今までにやった事が無い、いくつかの矢印の掛け合いをトライしていたら、いい感じで打てました。そしたら、それに対してトラックマン先生から「真っ直ぐ」の評価を頂きました。 しかし、自分の中では、全然真っ直ぐに動いていない…。上下、左右、前後に矢印を掛け合わせていたので、何処にも真っ直ぐはありません。 まあ、これはトラックマン先生から、 「永井さんの場合、今までクラブが動いて行く方向と自分の動きの関係が乱れていたので、それをそんな動きで修正すると真っ直ぐになりますよ。まあ、頑張ってください!」 と諭された訳ですね…。 先生、ありがとうございました。また今日から頑張ります!

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