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  • 執筆者の写真nobuhiro nagai

マタドールはシュッと立つ

今日から3月となりました。先ずは神戸ポートアイランドゴルフ倶楽部でのレッスン会からスタートです。


昨夜は羽田空港から神戸空港へ、スカイマーク便で移動しました。予約の段階ではほぼ満席でしたが、搭乗してみると空席が目立ち8割程度の埋まり具合でしょうか。


夜の三ノ宮も、繁華街を歩いた訳ではないですが、常宿の東横インの周辺は閑古鳥が鳴くと言う程ではないと感じました。でも、やはりそれなりに人の動きは鈍っているらしく、2軒目に寄ろうと思っていた店は早じまいしてました。


今夜はレッスン終了後、また神戸空港から羽田空港に飛んでのトンボ帰り。月曜日からは確定申告作業用に時間を空けていましたが、新型コロナウイルスの影響で急遽春休みに突入となった娘の世話もしなければです。


感染予防は大切ですが、必要以上に警戒して経済活動を停滞させてはダメなので、今こそ与えられた環境の中でベストを尽くす時か?と感じています。


さて、昨日の高田馬場レッスンで、あらためて効果を感じた「闘牛」の仕組み。赤いマントはムレータと呼ぶそうですが、ムレータで牛をかわす動きが、ゴルフスイングのテークバックからトップを迎えて切り替えしに入る動作の仕組みを現します。


このかわし動作を覚えるドリルは、ウエッジを使ってのハーフショットから入ります。要は「左から始まって、右で終わる」そのもので、体幹から右に始動してムレータで牛を導き、牛がムレータ目掛けて突進して来たところを左に踏み替えて右にかわします。


体幹の踏み替えは左右のピボットで、そのピボットがクラブをリードする仕組みの中で、クラブを右にかわしてインパクトするのですが、この時に大事なのが牛は一方通行で戻って来なくていいという事。


時に牛が反転して直ぐに戻って来てしまうと、大変な事故が起こると思いますが、それはゴルフも同じ。ムレータで牛をかわしたマタドールは、走り去る牛の尻尾を見ていなければです。それが反転して、角を立てて突進して来る牛の顔を見てはなりません。


インパクトの時に、牛の尻尾を見ているか?顔を見ているか?がまさに死活問題となる訳ですが、殆どのゴルファーは顔を見ていて、悲劇を繰り返していると言えます。


このハーフショットで牛をかわすドリルで、牛は地面の上を走っているわけですが、フルスイングになると、右のカベを体幹が上向きに上って行くので、牛を地面から宙に駆け上がらせてテークバックの頂点まで導いて行かねばです。まあ、こうなるとリアルワールドから離れてイメージの世界になりますね。


そのテークバックの頂点まで牛を連れて行ってから、空中の高いところでかわして背中側に見送るのがフルスイングでの闘牛イメージです。


昨日のレッスンでは、そのテークバックの頂点でかわして、右の背中側に居る牛の尻尾を見ると言うのが生徒さんにハマり、やや右に打ち出しながら260ヤードのMAXドライブが出ました。弾道も一番高く、尻尾を見送った事でロフトが適正化されたのもMAXに貢献しています。


ここでポイントとなるのが、右のカベを上って行き、牛を高いところに連れて行くという事。そのテークバックで右のカベを上って行くのに大切なのがアドレスです。そのアドレスのヒントとなるのがコチラ。

地元埼玉県の名産品深谷ネギです。大根でもいいですが、この関東ローム層の柔らかな土に深く根を張ることで白い部分が多いのが特徴の深谷ネギを、地中から引き抜く様をイメージするのがアドレスの極意になります。


アドレスのテクスチャーを現す表現としては「リラックス」「自然体」。矢印の方向としては、ゴルフクラブのヘッドの重心特性ではないですが、とりあえず下向きで「重心を低く」と言っておけばそれらしくなるという不思議な世界があります。


よく、アドレスのレッスンで「自然体で重心を下げてリラックス」なんてよく言っていますよね。皆さんも、これに異論は無いと思う方が殆どだと思います。


しかし、私はゴルフスイングの正体とは、クラブとの引っ張り合いだと定義しています。故に、クラブは常に一番強いチカラである重力方向に引っ張られているので、スイング動作に入ってクラブが地面から離れて宙に上がったその時には、重心方向に引っ張られる訳です。


なのでゴルファーは、それに負けないチカラを準備しておかねばです。その準備とは、少なくとも「自然体で重心を下げてリラックス」ではないのは明らかだと思います。


私が思う、クラブに引っ張り負けない準備とは、クラブを地面方向から受ける重力から引き抜いて支えている事だと思います。それが、地中に埋まったネギや大根を引き抜く動作とリンクする訳です。


引き抜いて構えるからと言って、ヘッドを持ち上げてボールにあわせろと言う訳ではありません。ヘッドを地面に付けて構えても、その後のスイング動作に入った時に引っ張られない体勢が出来ていればOKです。


そして何より「自然体で重心を下げてリラックス」していては、テークバックで右のカベを上って行く動きには繋がりません。


これは野球のピッチング動作にも見られ、右投手が振り被った際の右軸はシュッとして上向きの矢印を作っています。


その上向きの矢印から左に踏み込み、投球動作に入る訳ですが、やはり高い方から低い方へと流れる自然の摂理がそこには作用して効率のいい動作となります。


また、マウンドには傾斜が付いているので、その傾斜を正しく使ってチカラを得るには、高い方が低い方へ流れる仕組みが最適です。


しばらく前にテレビで見た、メジャーリーグのレジェンド、ランディ・ジョンソン選手が日本の子供達にピッチング動作を教える番組の中で、ランディが基礎動作として徹底していたのが、この流れを掴むシャドウピッチング。


上向きにのシュッとした振り被りの軸足から、低い方となる左に踏み込む軸足へ、高い方から低い方へ淀みなくブレずに踏み替える事を、子供達に反復練習で徹底的に指導していました。


まさに自分の身体の動きの中に矢印を付けていくのが、極意となるんだと感じました。


このクラブを地面から引き抜く感覚は、少し段差があると分かりやすいので、レッスンの際はそういう場所を選んでやっています。

引き抜くのは、シャフトプレーン方向ですし、当然、膝や足首が突っ張っる事や、伸び上ったりする訳では無いです。


おへそでグリップエンドから、シャフトの中身を吸い込んでいる様なイメージでしょうか?


その吸い上げ感が上向きの矢印と繋がり、テークバックで右のカベを上って行く動作と繋がります。


日本のスポーツ界には、不思議と低重心指向で下半身至上主義的な雰囲気があります。それは日本人の体型や文化から来た「腰腹文化」とはちょっと違う様な気がします。


動作によっては、上向きで高重心なポジションを使いこなす必要があり、それは重力を使った効率のいいパフォーマンスには必須だと思います。


猛牛の突進を命がけでかわすマタドールは、シュッとした立ち姿が特徴的。


古武術でも「浮身」「無足の法」などの、下向きの矢印ではない身体操作が基本となります。


たしかにこの話し、「アドレスで浮身を掛ける」の一言で終わりましたね…。


皆さんも「アドレスは自然体で重心を下げてリラックス」、もう一度考え直してみてください。













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