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ドライバーの進化の答えは「Hit it Hard」だった

この週末は寒暖差激しかったです。


昨日、レッスンにお見えになった常連さん、最近好調の様子でしたか、打ち始めると当たりが悪い感じ。


話しを伺えば、土曜日にみぞれの中で18ホールプレーし、あまりの寒さにどう打つのか?見失なってしまったとの事。


なるほど、それは大変でしたね、とやり取りし、もう一度おさらいをしたら、いい感じを取り戻して頂きました。


今日は暦の上では大寒ですが、昼頃には3月の陽気になるとの事。まだまだ、こんなアップ&ダウンが続くと思いますが、皆様もゴルフの調子と体調の維持に、お気をつけくださいませ。


さて、この週末、私が注目したのが、この動画です。


ヨーロピアンツアーで活躍する、キャロウェイの契約プロであるマット・ウォレスエリック・ヴァン・ローエンが試打者となり、1980年代のパーシモンヘッドドライバーから、10年一区切りで、そのデケイドを代表するキャロウェイのドライバーを試打し、2020年モデルである「マーベリック」をPRする動画です。


もちろん1980年代のパーシモンもキャロウェイ。創業者のイリー・キャロウェイがヒッコリーシャフトのアンティーククラブメーカーを買収して、キャロウェイの前身となるクラブメーカーをスタートさせたのが1882年との事で、その時のかなり貴重なモデルだと思います。


試打をする2人はヨーロピアンツアーで活躍するツアープロで29歳の同じ歳。2020年のドライビングのスタッツを見ると、マットが305ヤードで22位。エリックが303ヤードで32位と、平均よりは飛ぶ選手か?と思います。


この動画を見ると、パーシモンヘッドのドライバーからマーベリックまでの進化の過程と、ゴルファーにどんな影響を与えているのか?がよく理解出来るので、そこで何が起きているのかを私なりに解説したいと思います。


先ず、2人はパーシモンヘッドのドライバーが打ち始めますが、画面から見て取れるのは、スイートエリアの小ささと、そこを外した時のギア効果によるボールの曲がり。


かなり激しくボールが曲がりますが、ツアー選手ですからフェースの向きによるモノではないと思われます。


エリックに至っては、最初の1打はダフリチョロです。


これはヘッドが小さいからではなく(まあヘッドサイズに起因していますが)、今の重心の深いヘッドが作るインパクトゾーンに入ってのシャフトキックバックにより、ヘッドがアッパー軌道に変換されてインパクトに向かうという動きが、パーシモンヘッドには無いため、同じ感覚でスイングすると手間にヘッドが墜落します。


小ぶりなヘッド(重心の浅い)にスチールシャフトのドライバーに比べると、現代の重心の深い大型ヘッドにグラファイトシャフトのドライバーでは、挙動が全く違うというのを見て取る事が出来ます。


いずれにせよ、2人とも「おっかなびっくり」な様子で、まずまずの当たりでキャリー211ヤードでスピン量は2200回転となっています。


続いて1990年代を代表するモデルは1995年のグレート・ビッグ・バーサ。これはキャロウェイのs2h2理論により、ネックがなくシャフトがヘッドに貫通したビッグ・バーサという大型ステンレスヘッドのドライバーが1991年に登場。


私はその次のモデルのウォー・バードを1994年にハワイのゴルフショップで買って、そのままアメリカゴルフ留学に突入した覚えがありますが、ここまでがステンレスメタル。


グレート・ビッグ・バーサ(GBB)から、チタンヘッドへと突入します。たしかこの後のビゲスト・ビッグ・バーサ(BBB)がヘッド体積300CCだと思うので、GBBは250CCくらいだったでしょうか?


ヘッド特性としては高重心で、この頃、まだアメリカのクラブメーカーには「低重心=飛び」の概念が無かったと言われています。


2人の様子を見ると、まだ不安定ながらキャリー260ヤードでランを入れると280ヤードくらいは飛んでいます。


そして2000年代の代表は2006年のFT-i。当時流行った異形状+カーボンコンポジットによる高慣性モーメントヘッドです。


2000年頃にはホーク・アイやE・R・Cなどの、キャロウェイらしい名器がありますが、あえてこのFT-iというモデルを、このデケイドの代表選手としてチョイスしたのは、とても興味深いですね。


これは、やはり高慣性モーメントの世界にキャロウェイが舵を切ったという時代の流れの象徴なんだと思います。FT-iのヘッドの重心に対する左右の慣性モーメントの数値は、5000g㎝2を越えて来ます。現代のドライバーと遜色ない数値です。


やはり、これは2人の試打にも現れていますね。やっと落ち着いて打てると言うか、クラブへの不安感が無くなり、彼ら本来のスイングで打てる様になって来ます。


弾道も安定してキャリー278ヤード。スピン量が2900回転との事なので、2割くらいスピン量が減らせれば、あと10ヤードくらいは伸びそうです。


そして2010年代の代表はディアブロ・エッジ。これは2010年発表のモデルです。このモデルは空力デザインが特徴で、高慣性モーメントの次の機能を狙っていると思われます。


試打の様子を見ると、2人ともボールが滑って右の池。これは、その高慣性モーメントの次の機能を狙ったが、ややクラブとしてのバランスが崩れている状態でしょう。


何とか捕まえてフェアウェイに入ったボールは推定キャリー265ヤード。転がって300ヤードの看板付近まで来ていますが、ツアー選手がコースで闘うには、ちょっと取り扱いの難しいドライバーに見えます。


そしていよいよ、2020年のマーベリック。試打したホールは短いパー4でビンまで333ヤード。グリーン手前のエッジが概ね300ヤード地点です。


2人とも伸び伸びとした思い切りのいいスイングながら、弾道コントロールも出来ていて、キャリー300ヤードからピンそばに付けるショットも出て来ます。


ショット後に「Hit it hard」と呟いていますが、まさにこれが答えだと思います。パーシモンヘッドを打っていた時のぎこちなさや不安感は全く無く、全身を躍動させながらのスイングは、まさに現在のツアー選手です。


さあ、ここから何かが見えて来ましたね…。


この続きは明日と言う事で。


明日への補足で、クレバスを渡る話しを張り付けておきます。


















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