昨夜、二日続けての寄稿となる「みんなのゴルフダイジェスト」のコラムがアップれました。一昨日の夜にアップされたのが総論的な前編を受けての後編で、永井流クラブとのペアリングの実践法を紹介しています。 ゴルフクラブとうまくペアリング出来ている状態を、私が多くを学んだ古武術の師である振武舘黒田道場宗家黒田鉄山先生の著書「気剣体一致の武術的身体を創る」のタイトル
である「気・剣・体の一致」としていて、この「剣」を「クラブ」に置き換えての「気クラブ体一致のゴルフ的身体」を有しているのが、世界のトップ選手たちと言えると思います。 メジャー戦で優勝争いをしている選手が終盤のティショットが難しいホールに来た時に、様々なプレッシャーに打ち勝ち、「自分が今まで練習してきたこの動きでこうインパクトすれば絶対にフェアウェイのど真ん中に行く!」という強い意志でボールを打ち抜いた結果、ちゃんとフェースのセンターに当たりイメージどおりのボールが出るというのが、「気・剣・体の一致」でしょう。 さらに、それを無意識化の下、多くのギャラリーからの視線や声援を自らのチカラに変えて、ウイニングパットまで演じ切れるプレーヤーは、指折り数えても数名しか思い当たらないと思います。 よくこういうプレーぶりを、解説者は「思い切りがいいですね」「思い切ったショットです」とか言います。この「思い切り」を検索するとこの様な結果となりますが、これは古武術的な解釈をすると「思い(気)」が動いた時に「体」も動き「剣」が相手に届いている状態を現し、「気が動いた時には斬れている」という剣の速さを示す言葉になります。
まあ、メジャー選手のインタビーで「イメージ(思いどおり)に打てました」というのが、このゴルフにおける「思い切り」でしょう。「積極的な決断」「大胆な攻め方」「プレッシャーに負けない強い意志」とは分けて考えるべきだと思います。 逆に「振り遅れ」というのは、まさに「気・クラブ・体の不一致」です。「タメ」というのとはまた違います。 この「気・クラブ・体の一致」を創るべく、私の場合は、それぞれが動く方向に矢印を付けて、ゴルフスイングを組み立てていこうと取り組んでいます。 今回寄稿したコラムは、2月から使っているテーラーメイドの新作、SIM MAX ドライバーを約1カ月4回のラウンドを通じ、何とか自分のイメージどおりに使える様に育てていく様子を時折このブログで記事にしていましたが、それを見ていたO編集者から「面白いのでまとめてください!」と依頼があって執筆しました。 まあ、執筆した事もあり、この育成作業、自分の中でもひと段落出来た感があるので、あらためてこの2年間エースドライバーとして活躍してくれたキャロウェイ・USエピックをチェックしながら、SIM MAX ドライバーと比較してみました。 先ず、基本スペックとしてはUSエピックはロフトが10.5度でSIM MAX は9度。リアルロフトも見た感じそのままで、あきらかにSIM MAX の方が絶壁感がありますが、ボールの上がり具合には差を感じません。 むしろ、高い球をイメージした時のレスポンスはSIM MAX の方がいいと思います。なので、深重心によってシャフトのキックバックをより引き出し、インパクトでヘッドが上向きに当たりたがる挙動が、USエピックより強いと思います。 USエピックは、ジェルブレイクテクノロジーにより、フェース面に近いところにバーが2本あってその重量がインパクトに関わっているイメージで、前に前にと伸びていく強弾道が特徴です。なので10.5度のロフトでも、どちらかと言うとライナー性の弾道を打っていました。 何といっても、USエピックの特長は、インパクト効率でしょうね。フツーにガツンと当たれば、効率値1.5を体感するインパクトが得られます。キャロウェイもその後、ローグ・エピックフラッシュ、そしてマーベリックと展開していきますが、意外と初代エピックを評価する声がある様に感じます。 これはテーラーメイドのグローレの時にもありましたね。初代グローレから離れられない上級者やシニアプロの話しをよく耳にしました。 ペアリングという意味では、USエピックとSIM MAX では鉛を貼る位置が違っています。USエピックの方が、シャフト軸から遠いところに鉛を貼っていて、シャフトを動かそうする意図が見えますが、SIM MAX はヒール側シャフト軸におまじない程度です。
SIMはシェイプインモーションの略だそうですが、かなりシャフト軸から遠いところを感じさせるヘッド形状ですので、その違いがそのまま出ているということでしょう。 ボールの上がりやすさという意味で、重心アングルを比較してみましたが、SIM MAX の方がやや大きい様に見えます。
手にした時の感じは、やはりUSエピックの方がシャフト軸に近いところにヘッドの重さを感じますね。ヘッド形状の真ん中あたりに重さの濃いところを感じます。それに比べるとSIM MAX の方が、あきらかにシャフト軸から遠いところに重さの濃さを感じます。 これ、2本ともグリップが全く同じで、USエピックも最近新しいグリップに換えたばかりにつきゴムの触感に違いがなので、娘に手伝って貰って2本を持った時の目隠しテストを行いました。やはり手にしてワッグルした時に歴然とした違いを感じるので、間違えることはありませんでした。 最後に総重量を計ってみました。やはりこうなりますかね。
まあ、手にした時の感覚は違えど、総重量的には同じでした。コレ、2本とも計りの数値が320gと321gで揺れていたので、コンマの単位でもかなり揃っていると思われます。
よく、クラブ好きでロフト角や重量などをとても良く勉強し暗記されている方がいらっしゃいますが、私は数値には拘りません。スペック的な数値は調べれば分かるので、必要な時に調べればいいと考えています。
大切なのは、そのクラブを手にして打った時にどう感じ、それをどう自分に対してメリットがある様に取り込んでいくか?です。
この2本とも320gで揃ったというのも、その結果に過ぎません。最初から「320gで!」としている訳ではないのです。
メディアでクラブの試打者として登場する際は、そこをどう伝えるか?が大切で、そこに自分なりの言葉や表現を織り込んでいきたいと努力しています。
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