nobuhiro nagai
フェースローテーションの無いスイングとは?
先ずは、この記事から。 続けて、もうひとつ、この記事です。 さらに続けて、このブログの11/18のポストを。 このところ、ずっと語ってきている現代型と近代型の違いを現す、いい事例だと思います。 三井住友VISA太平洋マスターズの時に見た金谷選手のスイングは、完全に460CC大型ヘッド対応の現代型スイング。トップから切り返して背中に預けて節を作り、一気に体幹で入れ替えていく感じがよく出ていました。 まあ、この後いろいろと説明する中で語ろうと思っていましたが、この流れだと先にローリー・マキロイ選手について話した方が良さそうです。 10月のZOZOチャンピオンシップで見た、マキロイ選手のドライビング技術は完全に異次元的。他の選手と比べると、アタマひとつ突き抜けていました。 そのマキロイを定義するなら、
「世界一、ハンマーを早く振れるゴルファー」 となります。 これは野口体操創始者の野口三千三先生の
「全てのスポーツ動作は、ムチとハンマーの組み合わせ」 に起因します。 野口先生曰く 「ムチはスピードを出すのに長けているが破壊力はない。 逆にハンマーは破壊力に長けるがスピードは出し難い」 ムチを打つ場合、先端を走らせるためには身体や手元を止めなければで、それが身体の中に軸を作る仕組みとなります。 ハンマーの場合も身体を軸としての関係もありますが、決定的な違いが節の役割で、それについて手にする道具との関係での仕組みを、この前までで説明しました。 マキロイのヒップターンの速度は、ツアー選手の中でもトップクラスというデータがありますが、先ずこれは身体を止めていないという証明になります。
破壊力のあるハンマー型ドライバーを手にして、トップ位置から切り返してクラブを背中に預けて節を作り、ヒップターンで一気に体幹とクラブを入れ替えてインパクトに向かいます。
さらにはトドメとも言えるカウンター動作で完全にボールを叩き潰すのが、マキロイのドライバーショットと言えるでしょう。
そして金谷選手も、このマキロイの様なハンマー型スイングへと進化した様に感じたので、もうプロ・アマ関係ないトップレベルの世界へと到達したのでは?と言うのが、私の印象でした。
さて、先の野口先生の話しと関連しますが、ムチは先端が動きますがハンマーの頭は動きません。
ただゴルフクラブの場合は、ハンマーヘッドがシャフト軸に対して開く方向へと倒れやすいです。
これを柄の長いハンマーや餅つきの杵を持った際の右手の様に、節に先端の重さの塊を支えさせながら節から先を一体化せさるのが460CC大型ヘッドの時代の技術です。
このハンマー型の節で460CCの大型ヘッドのトルクを支えながら、体幹とクラブの入れ替え動作の支点とし、クラブをインパクトゾーンに入れてくるのが現代型の仕組みになります。
レッスンではバランスポイントを節とした後のふたつ目の節作りが、このハンマー型の節を基準にして、 「左に見て始まり右に見て終わる(打つ)」 です。
全体イメージとしては、先ずはクラブと身体を入れ替えていくイメージ作りになりますから、フルスイングではなく30ヤード以内のアプローチのハーフスイング的な動きから始めた方がいいと思います。
多少、バランスポイントを節とした小さな動きよりはクラブの振り幅が大きくなるので、フォロースルーが出てきますが、これも節から先を右に見たまま身体の動きでターゲット方向にクラブが出ていく感じが出せるどうか?です。
実際のフルスイングの場合は、このハンマー型の節から見て、節から先を右に見たままインパクトに向けて加重や加速していく中で、そのエネルギーでの遠心力やシャフトのしなり戻りにより、ヘッドがリリースされます。
それによって節から先が左に抜けていく(ヘッドが走る・リリースされる)のが重要です
自らの働きかけで、節から先を左に動かしてボールに当てに行ってはダメというのがキーポイント。
これが節の約束事である、 「節から先はノータッチ(自分で動かさない)」 となります。
ハンマー型の節で支える事で、節から先はノータッチとなり、それがゴルフ雑誌的表現で言う 「フェースローテーションの少ないスイング」 となります。
対するムチ・振り子型の場合は、加速すればする程、ヘッドにトゥダウンやフェースが開く方向へのチカラが加わるので、それをゴルファーが補正しながらインパクトフェーススクエアを作らねばなりません。
これは、節の先にタッチしている(自分で動かしている)状態となるので、フェースローテーションを技術として使いこなしてインパクトフェース面スクエアを作れるのがプロや上級者。
これが出来ずに、ヘッドが開く方向のチカラに負けて、インパクトフェース面スクエアが出来ないのが、多くの悩めるアマチュアゴルファーに起きている事です。 自分でもこのハンマー型の節を、トップからの切り返しでプレーンに預ける様に意識したら、いわゆるフェースローテーションが消えました。
ゴルフスイング全体で見ると、ハンマー型の節と体幹との間には、振り子的な関係も成り立っていて、特にダウンスイングからインパクトにかけては、体幹との距離を一定に保つ様な意識は重要になります。
とりあえず、4プラス1の節のうち、2つが終わりました。
ここまでは身体の中ではなく、クラブの中にふたつの節を作っています。
PS ハンマー型の節を使ったトリックショットのパフォーマンスが、たまたま知り合いのFacebookにアップされていたので、リンクしておきます。