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  • 執筆者の写真nobuhiro nagai

ナダルからイップスのウイルス発見!?

ナダルの話しが続いておりますが、昨日の記事でも書いた様に、結論を扇子の動きで現すとテークバックにおいて


①始動からハーフバックまでに扇子の面を開く

②ハーフバックから扇子の二本の親骨を閉じ(たたむ)てトップ位置に収める という動きが、ゴルフスイングにとっては非常に効率を悪くする動きになるという事。 この対極にあるのがナダルのゴルフスイングで、それがゴルフっぽくない感じを醸し出しています。 となると、ナダルのゴルフスイングの仕組みとしては、 ❶始動からハーフバックまで扇子の面を伏せる ❷ハーフバックから扇子の二本の親骨を閉じずにテークバックの頂点から伏せていた面を開く方向に返してプレーンに乗せてダウンスイングへ となります。 このナダルの仕組みを作っているのが、右前腕の使い方です。これが尋常ではない感覚。 ナダルの右前腕の使い方が尋常ではない! 右打ちの場合、アドレスすると身体の左にターゲットがあり、それに対して右方向に右腕を動かしてテークバックに入ります。 クラブが動き始めると、いわゆるスイングの本質であるクラブとの引っ張り合いが始まる訳で、クラブヘッドが開く方向に回転したがるチカラや、クラブ全体の遠心力などにより、右腕の前腕が開く方向に回旋してしまうミスが発生しやすくなります。 これはインパクトでも同じようなチカラが、右前腕に掛かる事があり、それがスイートスポットより先にボールが当たってしまうトゥヒットのミスです。 インパクト時には約1トンものチカラが掛かると言われていますが、フェース面上の重心位置であるスイートスポットを外してボールにコンタクトすると、ヘッドが重心位置を軸にして回転してしまいます。

それ故、インパクトでボールがトゥ側に当たってしまった場合には、ヘッドが開く方向に回転するので、右前腕には開く方向のチカラが掛かります。 多くの悩めるアマチュアゴルファーの場合は、トゥ側に打点がズレてしまうケースが多く、アマチュアゴルファーにとってやさしいと言われるゴルフクラブの宣伝文句には、トゥ側のミスヒットに強い性能を持つなどと謳われているケースが多いです。 以上の様なゴルフクラブの特性の影響もあり、始動からハーフバックまでの間に右前腕が開く方向に回旋してしまうミスが起きてしまうケースが多いと言うのは、多くの悩めるアマチュアゴルファーに何が起きているのか?を見た場合に、間違いなく言えることです。 テニスラケットの重心特性やガット面の機能がボールの挙動に与える影響など、私はよく分かりませんが、ナダルの場合はテニスで培った動きだと思われる、右前腕が閉じる方向である内旋しながらテークバックして行くのが特徴。 これはYouTubeでナダルの動画を探す際に、ジョコビッチと一緒にプレーするビデオもありましたが、ジョコビッチのテークバックには右前腕の内旋は見られず、いわゆるフツーのゴルフスイングでした。

テークバックの始動から体幹は右に回して行き重心移動も右足に乗せるのですが、右前腕は体幹の回旋と逆方向の左側に絞っての内旋。これは右肘を節としての動きになります。 マシュー・ウルフ選手でも始動からハーフバックまでは、体幹とワンピースな動きでオンプレーン。ハーフバック以降で右肘を節として、右前腕の内旋を使ってプレーンから外れる位置でのトップに向かい、切り返して右前腕を外線させてプレーン方向に導き、ヘッドの運動量を体幹のエネルギーをかけてのテンションを作るタイミングを計っています。 ですので、始動からハーフバックまでの間に、これだけ右前腕の内旋を効かせてクラブを振り上げてくるのはナダルくらいだと思われ、彼のゴルフスイングの独自性を作っています。 ここで気が付くのは、右前腕の内旋は、ショートゲームにおけるイップスの治療薬として、既にゴルフ界で多くのツアー選手が取り入れているという事。 パッティングにおけるクロウグリップ。私も採用する事が多いですし、初心者でヘッドのうねりがコントロール出来ていないゴルファーには、クロウグリップを教えてノーマルグリップからクロウグリップへとチェンジさせますが、これは確実に結果が出ます。 そしてアプローチイップスに対しての右手のウィークグリップ。ツアー選手が、ちょっとアプローチに違和感が出てくると、特効薬的に処方するのがウィークグリップです。 イップスとは関係ないですが、ジャンボ尾崎選手の右手ウィークグリップからの繊細で柔らかいアプローチは、全盛時、豪打以上に強力なウェポンとなっていました。 先に挙げた様に、ゴルフクラブは右前腕に対して開く方向に働きかけて来るので、その影響を自分が感じずにミスが起こると、自分の技術に対してのコンフューズが始まってしまい、イップスへの扉をくぐる事になるのでしょうか…!? このクラブとの関わり合いの中で、右前腕に何が起きているか?を把握しないと、イップスのウイルスに感染、増殖させてしまいます。 イップス系のゴルファーには、ナダルワクチンがおススメです。YouTubeでナダルのプレーぶりを見ると、パッティングやアプローチ、バンカーでも、始動でクラブが動き始めると右前腕が内旋しています。 ナダルは右前腕の振りかぶり動作と内旋が完全にセットになっています。本業のテニスでは強烈なトップスピンが特徴との事ですが、この辺りの感覚がそれと繋がっていると思われます。 ショートゲームに不安のある方は、ナダルワクチン、トライしてみる価値は十分にあると思います。

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