top of page
  • 執筆者の写真nobuhiro nagai

ユーティリティーという言葉を信じていいのか?

昨夜のネットに、丸山茂樹プロが11月のプライベートラウンド中に左肩腱板断裂の為、来季の試合出場が白紙の状態であるとのニュースが報じられました。 丸山プロとは面識はありませんが、学年がひとつ下で高校時代から全国的に活躍しており、その後については今さらお話しする必要は無いと思いますが、まさに同世代のスーパースター。その彼にこの様な事態が訪れるとは、ちょっと衝撃でした。 USPGAツアー撤退後は、そのきっかけとなった親指付け根の痛みに悩まされて、プレイヤーとしての活動は控え気味でしたが、USPGAシニアツアー挑戦に向けて親指に負担のかからないベースボールグリップを採用したりと、トレー二ングをされている様子は報じられており、この秋にはJPGAのシニアツアーでシニアデビューを果たしていた矢先の出来事です。 ニュースによると、日常生活にも支障が出ている様ですが、私も同じ思いをして来たので、その苦しみはよく分かります。幸い私の場合は、断裂には至っておりませんが、丸山プロはラウンド中にそうなったとありましたが、予兆の有無など、どの様にしてそうなったのか?ちょっと気になりますね。 私も治療を始めるのが遅れ、今迄のペースでラウンドしていたら、断裂まで至っていたのか?と考えてしまいます。最近はだいぶ良くなりましたが、左肩の間接まわりが不安定でしたので、何かのはずみで左腕が抜けてしまうのでは?と不安に感じる事もありました。 混雑した主要駅などで人とすれ違う際とかはホントに怖いです。左肩にぶつかって来られたら、たぶんその場にうずくまるくらいの激痛が走ると思いますから、かなり気をつけて歩いている今日この頃です。 ホントかどうか分かりませんが、断裂の方が外科的手術でつないでしまうので意外と回復が早いという体験談も聞きましたが、いずれにせよリハビリを含め時間はかかると思われますので、同世代の丸山プロの病状は気になりますね。お互い、早くよくなって、また存分にゴルフを楽しみたいものです。 さて、低ヘッドスピードのゴルフから何かを学ぼうというシリーズ。クラブセッティングについてのお話しがスタートし、ドライバーとフェアウェイウッドの回が終わりました。 私の14本のセッティングの中で、低ヘッドスピードになってから使用頻度が上がった2本が、前回テーマとなったフェアウェイウッド。そして今回は全く使わなくなった3本の内の2本であるユーティリティークラブについてです。

ユーティリティーはテーラーメイドのM2の#3と#4を使っています。最初19度の#3を手に入れたらとても良かったので、ネットで探して22度の#4を買い足しました。19度はシャフトのしなりを使えばグリーンで止まるような高い球も打てますが、どちらかというとライナー性の強い弾道で距離を稼ぐショットで活躍してくれます。また、悪いライからでも、そこそこの結果を出してくれるのもありがたいです。 またティアップして打つと220ヤードくらいまで飛ぶ事もあるので、ティショットでのレイアップや長いパー3でも、信頼して手にする事が出来ました。 そう思って22度を買い足したのですが、コチラはどうもイマイチでした。うまく当たれば、19度と同じ様な感じで22度らしく使えるのですが、いかんせんミート率が悪いです。 これがユーティリティーの難しいところ。まさに「帯に短したすきに長し」とはこの事です。 これはクラブ長さと重量、シャフト挙動の関係です。私が使っている2本のM2は、どちらも純製品の軽量スチールが装着されていますが、19度の方はその長さと重さが作るスイングのタイミングに対して、シャフトのキックバックのタイミングが合うので、違和感なく打つ事が出来るのですが、22度の長さになると、この関係が全く狂ってしまい、とても打ち難いクラブになってしまいます。 22度の長さで打ちやすくするには、カーボンシャフトのスムーズな挙動で、先端のしなり戻りがもうちょっとインパクトに対してお助け機能を果たしてくれるシャフトが望まれます。 しかし、仮に22度に合うシャフトが見つかったとしても、それが19度のヘッドに対していい感じではまるのか?という保証はありません。現在19度は、クラブとしてはいい状態で、私の中でも信頼感があるので、それを壊してまでリシャフトするのはどうか?と思い、ずっと中途半端な状態でした。 そんな訳で、低ヘッドスピードになる前から、あまりこの2本は使いませんでした。先に挙げたシャフトの問題もあるので、2本ごとカーボンシャフトでもう少しボールが上がってくれそうなユーティリティーに買い替え様か?というのは検討していましたが、結局見送られたまま低ヘッドスピードとなりました。 低ヘッドスピードになると、単純にこの軽量スチールシャフトのユーティリティーではヘッドスピード不足で、思う様に使いこなすことは出来ません。19度をライナーゴロみたいなイメージでとりあえずグリーンの辺りまで飛んでいけ!と一度使ったのは覚えていますが、22度はこの記事の為に写真を撮る際にヘッドカバーを外した際、久しぶりに手に取りました。 この辺りは、単純にクラブスペックに対してのヘッドスピード不足。でも今までドライバーとフェアウェイウッドは、低ヘッドスピードでも同じクラブで対応できていたのに、ユーティリティーでは何故そうならないのでしょうか? やはりこれが、ユーティリティークラブの実像だと思います。 もともと、このユーティリティークラブが流行ったのは、テーラーメイドのレスキューというモデルをUSPGAツアーの選手たちが使い始めたのがキッカケです。 USオープンや全英オープンは、テレビ朝日が放送しますが、その解説を務める戸張さんと青木功プロが放送中に、それを手にする選手たちを見てユーティリティークラブやハイブリッドクラブと表現せず「レスキュー」と連呼し、「それは商品名だから公共放送に適した表現ではない!」と視聴者からクレームの電話が入ったという話しがあります。 メジャー選手の様にヘッドスピードがあるゴルファーにとって、3Wとロングアイアンの間を繋ぐクラブとして重宝されたというが、その理由だと思います。それまでは、その間を繋ぐクラブといえば、5番ウッドかドライビングアイアン(1番アイアン)あたりです。 5番ウッドなどロフトの多いフェアウェイウッドは、左へのミスとスピン量が多く吹き上がる為、ヘッドスピードの速いゴルファーにはデメリットが多くなってきます。また、ドライビングアイアンもやはりツアー選手にとってもハードルの高いクラブと言えます。 そこに登場したのがレスキューや、当時流行ったのはニッケントとかありましたね。ヘッドスピードのあるツアー選手にとって、左へのミスが出難くてボールが上がり過ぎずに、200Yから250ヤードくらいのゾーンをプレーするのに適したクラブで重宝されたというのが、ユーティリティークラブの実像だと思います。 なので、そのツアー選手にとってのメリットが、そのままアマチュアゴルファーのメリットになるか?というと、そうとも言えないのが本当のところです。 なので、私の様に、ある程度のヘッドスピードが確保出来なくなった場合は、そのメリットは享受できなきなります。もちろんヘッドがツアータイプのモノを使っていたというのは大きな理由となります。 このところのユーティリティークラブは、かなり全てのバランスがよくなって使いやすいモノが増えましたが、しばらく前はアマチュアゴルファーへのメリットを織り込むため、極端なグースネックや、ライ角をアップライトにしたりと、アドレスした段階で違和感を感じる様な極端なモデルが多かったです。 また、今でも手にした時に感じる長さや重量感、そしてヘッドのボリュームに形状からくるイメージと、これから打とうとする距離やスイングの強さ(振った時のエネルギー感)が全くマッチしないモデルも見受けられます。 一昨年の秋に、とある大学の生涯体育集中講座のゴルフ授業をお手伝いし、3泊4日の合宿をおこないました。ゴルフ部ではなく一般学生の体育授業ですから、ほぼゴルフ未経験者の学生が約20名の合宿でした。 初日はショートゲームをベースにしてスイング動作の習得に入り、2日目からは7番アイアンでショット練習。3日目の午後からはコースに出てのスクランブルプレーで、最終日のAMのレッスンの際に、レンタルクラブセットの中にユーティリティークラブがあったので、 「ユーティリティークラブにトライしてみましょう!」

と打たせたら、全ての学生が 「ドスン」「ガツン」「ポコン」 のレベルで、誰一人として当たった学生はいませんでした。 そこまでは7番アイアンとドライバーなどウッド系にもトライして


「パシッ」「シュッ」「カキーン」 とナイスショットを放っていたのですが、ユーティリティークラブは全くダメでした。 この理由は、上で下線を引いたところだと思います。ウッドやアイアンというのは、下線を引いたところのバランスが、長い時間をかけて精製されて熟成しているのに対し、ユーティリティークラブは、まだまだ本当にゴルファーにとって馴染みがあって打ち易いクラブとまではイケていないんだと思います。 ユーティリティーと言うと、いかにも万能の働きを見せるゴルファーにとって素晴らしいクラブの様に感じますが、どうもそうでもないみたいです。


閲覧数:175回
bottom of page