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  • 執筆者の写真nobuhiro nagai

スコアメイクのディフェンダー

3回のアイアン編が終わりました。最後はセッティングの話しが入って来ましたが、それで言うところのディフェンス最終列にあたるウエッジについて、今日は考えて行きたいと思います。 私の場合は、アイアンクラブが8番までで、その下からはウエッジ形状のクラブへと変わります。最近はウエッジのシリーズが42度あたりから展開していくメーカーが増えて来ています。先ずはこの辺りの考察から入りましょう。 ひとつはストロングロフト化したアイアンの影響。前回の記事で「ぶっ飛び系アイアンの正体」はユーティリティークラブの亜種みたいな位置付を行いました。それにより、結局数字で表す番手(9番でロフト33度くらい)の下に5本くらくらいは必要になってくるという事。 ジャンボ尾崎プロが全盛期に「P/S」というクラブをバッグに入れた事で、ピッチングウエッジとサンドウェッジの間の距離をプレーするウエッジが出来ました。 その前段としては、1985年にダンロップフェニックストーナメントを日本人として初めて制した中嶋常幸プロが、パーソナルモデル的なアプローチウエッジ(確か53度)を使っていて、その試合でもそのウエッジを使ってショットインイーグルを決め、優勝に大きく近づいたのを記憶しています。 今は「P/S」どころではなく「P」「P/A」「A」「A/S」「S」とか、いろいろ加わっています。その昔の名ブランド「パワービルト」のアイアンセットは、ピッチングウエッジを10番アイアンと表記して、その下に「Wedge」というモデルが入っていました。今思えば、極めてシンプルです。 なので、アイアンのストロングロフト化により、ウエッジ類もロフトのバリエーション展開が必要になって来たという事です。 もうひとつは、9番アイアンとピッチングウエッジは、いいモデルが無いという事。正しく言うなら、アイアン形状をセットとして設計していく流れの中で、ロフトが倒れていく事によって、重心特性とか形状から来るイメージなどが、いいバランスに収まらなくなってくるというのが、このショート番手の問題です。 軟鉄鍛造マッスルバック信仰では「ショートアイアンは小ぶりでシャープなモノがいい」と洗脳されがちだと思いますが、小ぶりでシャープなショートアイアンほど打ち難いモノは無いと感じます。前出の中嶋プロも軟鉄鍛造アイアンで有名なメーカーと長らく契約していましたが、その頃に「ウチのショートアイアンは球が軽い」と言っていたという話しを耳にした事があります。 ジャンボさんの全盛期はアイアンクラブの全盛期とも言われていて、ブリジストンのチタンマッスルや飯合プロモデルと言われたHM-55など、今の感覚から見ても程よいサイズ感と重心特性で、特にショートアイアンは大きめです。 打ち易いショートアイアンは、ゆっくり振って、強い球が出る事だと思います。そうなるとある程度ヘッドサイズがあり、重心距離が長いヘッドの方がタイミングを作りやすく、打点のスピードも上がるので楽に距離が出ます。 小ぶりなショートアイアンはでは、軽く打ったら球は前に行かないし、強く打てばヘッドが敏感なのでヒッカケが心配です。あまりいいことはありません…。 この様な理由は、特にヘッドスピードの速いゴルファーには影響が大きと思います。USPGAツアーの選手たちが、アイアン形状の9番とPWの替わりに、ウエッジ形状のクラブを使うのは納得できます。ウエッジ形状のクラブの方が、強くインパクトしても左へのミスや飛び過ぎる事が無いので、彼等にはピッタリだと思います。

さて、現代のウエッジ事情の考察が終わったので、低ヘッドスピードゴルフでのウエッジについてです。 いよいよ左肩の痛みでまともに打てなくなって来たのは、この9月後半頃。 最初はちょっと残念な気持ちになりましたが、これもまた経験だとポジティブに捉えて、自分の中でトライしているのが「仮想エージシュートにトライ!」です。 ボビー・ジョーンズのオールドマン・パーではないですが、白マークから72歳を設定年齢としてのエージシュートを達成すべく、10月からトライしてラウンドしています。 そのエージシュートを狙ってのプレーの中で感じるウエッジの重要性ですが、 今までフツーに打てていた頃との違いとしては、ふたつ上げられると思います。 ひとつはバンカーでのプレー。これは低ヘッドスピード化した事により、グリーンを狙うショットのパフォーマンス値が低下したのを受けて、バンカーに入る機会が増えた様に思います。 距離を刻むエリアでのアイアンプレーでは、若干のダフリ気味など今までパワーで誤魔化せていた部分が無くなり、縦のミスがシビアに出るので、ショートしてバンカーというケースが増えました。 また、150ヤード以上の距離を7Wとかでプレーすると、横のミスが出てくるので、これまたバンカーに繋がります。 いずれにせよ、そこからソツなくプレーして、砂イチを決めてパーをセーブするというのが、エージシュート狙いにはとても大切なプレー。バンカー対応というのは、低ヘッドスピードゴルフには切実な問題だというのが分かりました。


そしてもうひとつが、70ヤードから100ヤードあたりのウエッジプレー。これはパー5の3打目だけでなく、パー4の3打目でも重要です。いずれにせよ、このショットが上手くいくと、1打セーブできるので、スコアメイクにはとても重要なショットです。バーディーはともかくとして、こういう距離からのパーセーブはゲームの流れとメンタルにプラスに貢献してくれます。 まあ、かなり技術の部分が関係する話しであるのは間違いないですから、その見直しと共に、自分の課題となっている部分に対して、お助け機能があるウエッジを選んで使って頂ければというのが、今回のアドバイスになります。 現状、私のセッティングは フォーティーン・RMウエッジ42度 → 115ヤード前後 フォーティーン・RMウエッジ45度 → 105ヤード前後 ジューシー・tTウエッジ51度   →  85ヤード前後 ジューシー・EX1806ウエッジ58度  → 60ヤード前後 の4本でプレーしています。ディフェンス陣として4バックになりますね。 11月後半に兵庫県の垂水ゴルフ倶楽部をプレーしました。INコースからスタートして出足バーディーと幸先の良いスタート!しばらくパーを重ね、15番パー3でまたもやバーディーチャンスに付けました。これを入れて2アンダーとすれば「エージシュートに近づくぞ!」と狙ったパットは1mオーバーして結果3パットのボギー。そこから4連続ボギーとなり前半は39。 心機一転、後半のOUTで「ガンバロウ!」とスタートしたら、1番の2打目打ち上げ70ヤードを51度でフルショットしたのですが、アゲンストの風に当たってショートして手前のバンカー。行ってみたら大目玉な状態。これ、思い切り叩いたら左肩が痛いよなと思ってヘッドを効かせて打とうとしたら、やっぱりダメ。叩いた跡にボールが嵌ったりと結局脱出に4回。何とか1パットの7としましたが、こういうプレーをしていてはエージシュートは達成できません。 セッティングの考え方では、ウエッジ群はサッカーの戦術で言う最終列のディフェンダーと例えましたが、スコアメイクにはホント重要な部分です。 皆さんも、自分のプレーぶりをもう一度見直してみて、自分のプレースタイルに必要なウエッジをバッグに入れて頂きたいと思います。

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