テークバッグの始動の入り口が、ゴルフスイングの運命の分かれ道…。
そうは言っても、6時のアドレスから7時方向にクラブが動くのは紛れもない事実です。
ゴルフスイングの仕組みを「振り子」や「円」で現すのは間違いではないですが、私がレッスン歴25年の中で多くの悩めるアマチュアゴルファーのスイングを見て来た結論として、7時回りでのスイングの仕組みには大きなブラックホールがあると言う事。
その影響を受けずにボールが打てているゴルファーがいわゆるプロや上級者。
殆どのゴルファーは、そのブラックホールに吸い込まれてしまい、暗闇から抜け出せなくなっています。
そのブラックホールが何処にあって、吸い込まれてしまったゴルファーは、どうなってしまうのか?
それがこの動画です。
7時回りの円の場合、6時から9時までの間(アドレスからハーフウェイバック)は、手拭いにハリがあり、先端に包んだボールとの関係性がコントロール出来ています。
9時より振り上げるのをやめて6時に戻し、そのまま3時まで振り上げれば、6時を基点として左右90度づつ、あわせて180度の振り子が出来て、再現性や安定性の高いシステムとなります。
ゴルフスイングで言えば、ハーフスイングやショートゲーム、パッティングにフィットする仕組みです。
しかし、フルスイングの場合は9時の位置でテークバックを止めずに、9時から12時方向に振り上げて行き、いわゆるトップ位置へ収め様とします。
そして、そのトップ位置から切り返してダウンスイングに入りインパクトを迎えます。その際には、憧れのあのプロのスイングをイメージしている事でしょう。
しかしながら、スマホで撮った自分のスイングは、憧れのあのプロとは全く違うモノになっているのに愕然とする方も多いのではないでしょうか?
それが7時回りの円のブラックホールに吸い込まれてしまったという事です。
7時回りの円の場合、9時を過ぎて12時に向かう局面になると、手拭いの先に包んだボールとの関係性が途切れていまい、コントロールを失います。つまりボールの終着点を作る事が出来ないのです。
9時を過ぎて12時方向に向かうクラブの動きをいかにコントロール出来るか?そして12時付近で自分の意図するトップ位置に収めて、身体からクラブが離れない様にして、また9時の辺りまで切り返す事が出来るか?
これが7時回りの円のスイングにおける、最大のミッションとなります。
この9時→12時→9時のエリアにブラックホールがあります。
先に上げた動画は、9時以降の関係を失い12時方向に吸い込まれているので、イメージしている憧れのあのプロのトップに収める事が出来ません。
手拭いとシャフトは違う!と思われるかもしれませんが、長い棒の先に重いアタマ(クラブヘッド)が付いているというゴルフクラブの構造から見ると、起きている現象としては五十歩百歩だと思います。
動画ではふたつのタイプのミスを現しています。
先ず最初は、9時以降の関係を失いトップ位置がコントロール出来ず、切り返し動作との連続性が途切れるてしまいます。それを腕でボールに対して振り下ろして行くタイプのミス。
いわゆる手打ちとなりコックがほどけてしまい、そのクラブの遠心力に引っ張られ右体重となり、スイングの最下点が7時半とか8時になるので、6時のボールに対してはアップ軌道で向かいます。
いわゆるすくい打ちとなり、ダフリ、トップ、スクエアに当てられてもインパクトロフトが倒れているので高く上がった軽い球、シャフトが前に出るので引っかけもあります。
これはこの12月に発売となるゼクシオ11の前モデルであるゼクシオ10が、クラブ開発のテーマとして取り上げた問題点です。ゼクシオ10はクラブでこのミステイクを軽減させる事を狙い、ゴルファーに対して「打ちやすい」クラブとなる事を狙っています。
今回、発売となるゼクシオ11も同様のスイングに対する働きかけをするクラブがコンセプトで、多くのアマチュアゴルファーのスイングを解析した、ダンロップらしい基礎研究は素晴らしいと感じています。
動画のふたつめは、9時→12時のうねりをそのまま切り返して行くタイプのミスで、身体でリードは出来ているものの手拭いは緩んだままなので、そこにテンションは無く、正しい切り返しとしてのタメはありません。
それにより、いわゆる振り遅れやクラブが寝る動くき、右肩が下がるなどのミスに繋がります。
前の記事にも上げましたが、このブラックホールへの対処法は、従来のスイング理論やレッスンの重要なポイントです。
「トップで左腕を伸ばせ」…肘の曲げ伸ばしによる不確定要素の排除
「アーリーセット(早目のコッキング)」…ハーフバック以降の扇子の開閉はコントロールが難しい
「テークバックはゆっくり」…低速で動作する事でクラブのうねりによる不確定要素を減らし自分の運動も制御しやすい
「切り返しでコックを解かない様にタメを効かせる」…ゼクシオ10.11の開発コンセプト
これらは個人のコツや工夫ではなく、クラブがどう動きたがっているか?に対しての対応で、原理原則的なモノとなります。
一方でブラックホールに飲み込まれながら、そこから生還するコツや工夫を、スイング理論やレッスンノウハウとするケースもあるでしょう。
今回、テーマにしているクラブが動きたがっている方向で、7時回りの円と5時回りの円の決定的な違いは、このブラックホールの有無。
ブラックホールとは、クラブとの繋がりが無くなり、クラブへの意識やコントロールを失う事になります。いわゆる緩みが生じる部分です。
それに対して5時回りの円は、逆にクラブと身体の引っ張り合いによるテンションを活かしてボールを強打出来るのが特徴で、現代の460CC大型ヘッドを使いこなすトッププレーヤーの仕組みでもあります。
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