いよいよ今年も残すところ僅かとなりましたが、今日は雨模様。本日、打ち収めに行かれている方も多いと思われますが、何ともな感じです。でも、それ程気温は低くない様なのがせめても救いですね。 さて、私は絶好のゴルフ日和の中、昨日茨城県の笠間カントリークラブで打ち収めを行って来ました。前の組はご両親と娘夫婦4人での家族ラウンドの様子でしたが、還暦越えたくらいに見えるお父様は途中から半袖になってプレーしていましたね。私はハイネックを着ていたのですが、その上にジャンパーを着たのは1番と18番だけでした。 このコースの設計者は、私の師である陳清波先生。陳先生とは、週刊ゴルフダイジェストの連載対談「ファンダメンタルズ」で約2年ほどご一緒し、私は聞き手役を務めさせて頂きました。 当時は、ちょうどこのブログでも一度記事で取り上げた、古武術から合理的な身体操作や道具の使い方を学んでいた頃です。いわゆる「チカラではたどり着けない術の世界」を学ぶため、振武舘黒田道場宗家の黒田鉄山先生に弟子入りし、居合術や剣術に柔術などの稽古に通っていました。 その、古武術の世界での「チカラではたどり着けない術の世界」の具現者は黒田鉄山先生。術を見せて頂く事や、実際に技や身体に触れさせて頂き体感したりと、「なるほど、こういう世界があるんだな!」と思いました。 陳先生との対談は、まさにそのゴルフバージョン。ゴルフに置ける「チカラではたどり着けない術の世界」を具現化されていたのが陳先生で、私が古武術で学んだ術利への考え方をそのままゴルフで見せてくださいました。 陳先生のゴルフ理論は極めて理路整然としていて、いわゆる半身が基本。故に「テークバックでは左肩を回すのではなく右肩を後ろに引け」とか、「腰は回さない」などと仰います。 これらは柔術の型稽古で学ぶ基本動作と繋がります。 黒田道場では「基本、即ち極意」と、基本動作を学ぶ型稽古を重要視しますが、陳先生も同じで陳先生の極意はワッグル動作を使ってのショートチップ。これはクラブ捌きを、テコの原理で行う小さなショット。これが正しく出来る様になると、ドライバーも飛ぶようになると、陳先生のレッスンでの基本の型です。 このワッグル動作のコッキングは、ゴルフの歴史の中を脈々と流れている王道のテクニックです。 陳先生はイギリスで開催されたワールドカップに台湾代表で参加された際、アメリカ代表で来ていたベン・ホーガンの練習ぶりをずっと見学していたそうで、そこで盗んだのがこのコッキングの技術です。 そのベン・ホーガンは、若き頃、先輩プロのジョニー・レボルタと一緒に回った際、グリーン周りの小さいチップをレボルタがコッキングを使って小さい動きで打つのを見ていたく感銘を受けて、コッキングの研究に入ったとの記録があります。
たしかに若い頃のベン・ホーガンは、フックグリップで大きくルーズなバックスイングが特徴のパワーヒッターでした。その分、フックボールに悩まされ、大きなタイトルを逃していました。
それが、完全オン・プレーンと言われる、コンパクトで緩みのないスイングを身につけて、数々のメジャータイトルを獲得しています。 このホーガンのゴルフスイングの進化は、現代のツアー選手で考えるとかなり大きなチェンジです。デビッド・レッドベターやブッチ・ハーモンらの名伯楽をもってしても、これだけの大きなスイング改造は出来ないと思います。 それを成し遂げたのが、コッキングの技術だと私は思います。コッキングには、フェースを開く作用もある為、それと連動する形でのスクエアグリップやトップ位置で左手首を甲側に折るカッピングなどが表向きには注目されていますが、本質的にはウエッジでのコッキングの技術にその答えがあると、私は考えています。 ホーガンの小さいチップは、まさに陳先生のそれと同じなのが、YouTubeを見ても分かります。 これと同じチップを、私は陳先生から学ばせて頂きました。 ジョニー・レボルタは1935年の全米プロ選手権を制しています。そのレボルタからホーガン、そして陳先生と伝わるコッキングの極意を学ばせて頂いたのですから、これはありがたい事です。 私はこのショットを「一筆書き」と呼んで、ラウンドレッスンやゴルフキャンプの際のアプローチで今でも必ずレクチャーしています。 「一筆書き」のYouTube動画があるので貼り付けておきます。
笠間CCは大きなグリーンを大きなバンカーで囲むレイアウトが印象的。ティショットはわりとワイドで、しっかりと弾道をイメージしながら打っていけます。 しかし、ピンを狙うとなると、大きなグリーン面はいくつかに分れているので、正確なアイアンショットが求められます。これはまさに「東洋のベン・ホーガン」と呼ばれた陳先生からの問いかけ。私も「令和元年、最後のバーディーを!」とピンを攻めたら、あと50センチ足りずにアゴに突き刺さ差りました…。 この目玉を陳先生流のコッキングとフェースを回してのバンカーショットで1ピンに付けましたが、エージシュートの大先輩である陳先生から、「まだまだ勉強が足りないよ!」と諭されている様に感じました。 迎えた最終ホールはパー5。ドライバーと二打目の7Wを頑張って、フェアウェイからの3打目は残りピンまで95ヤード。45度で打つか迷いましたが、ジューシーtTウエッジの51度で気合を入れて強打。ピンめがけて飛んでいきましたが、ワンピン手前にオン。 51度で強打して93ヤードとは、何とも残念な感じですが、低ヘッドスピードゴルフとしてはよく飛んだ方でしょう。
これを入れて令和元年最終ホールで最後のバーディー!と集中して打ちましたが、気合を入れたモードに対してシャフトのしなりのタイミングが全く合わずに右に外れてパーで終了。 久しぶりに引っ張り出した昔のエースパターは、たしかにシャフトが柔らかくて、もっとシャフトのしなりを感じながら打たないとダメだったんだな!と思い出しながら、令和元年の打ち収めは終了。 ちょうど、クラブハウスの向こうの山に日が沈んだ頃でした。 1月3日の初打ちに向けて、パターについてもう一度考えながら、年を越したいと思います。
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