• nobuhiro nagai

デビッド・デュバルを覚えているか?

今回のテーマはルックアップ。 ハンマー型の節が出来て、体幹とクラブを分けての入れ替え動作が出来てくると、ダウンスイングからインパクト~フォロースルーにかけて、自分の身体の中に軸や壁を作ってインパクトする必要が無くなります。 ムチ・振り子型のゴルフスイングでは、インパクトにかけて身体の中に軸を作りながら「壁を作る」と呼ばれる動作で身体から手元にかけて減速させる事で、ムチや振り子の先端を加速させながらフェースをスクエアに戻してボールに当てるという技術が求められます。 この技術のよりどころが、 「頭を動かすな・ボールをよく見ろ・頭を残せ」 「インパクトはアドレスの再現・身体の正面でとらえる」 あたりだと思われます。 ところがハンマー型では、節(支点)を境にして体幹とクラブの入れ替え動作でボールを打つので、節に対して体幹は単なる塊としてエネルギーを出す事だけが求められます。 クラブをプレーンに入れるという作業は必要なので、天秤の様なつり合いバランスを取る必要はありますが、ムチ・振り子型の様な制御系の動作より、ハンマー型ではエネルギー系の動作が主となります。 これが分かりやすいのは、マシュー・ウルフ選手のスイング。 プレショットルーティン時の腰をツイストする様なモーションが特徴的ですが、実際のスイング動作と繋がっていると思います。スイング映像を見ると、テークバックの際に、左足を前方に大きく振り上げているのが見えます。いわゆるヒールアップとは、ややテクスチャーが違いますよね。 これは野球のピッチャー(右投げ)が、左足を高く振り上げての運動エネルギーを投球動作に取り込むのと同じだと思います。我が地元埼玉西武ライオンズで活躍し、シアトルマリナーズに移籍した菊池雄星選手(左投げ)の投球動作にそれを感じます。 ウルフ選手は、これもまた特徴的なトップ位置からの切り返しにあわせて、高く上げた左足を左ヒップがリードする形で背面方向に引き込み、それを節の手前の体幹のエネルギー動作に取り込んでいます。 近代型のお手本であるベン・ホーガン選手の左の壁と言われる左脚や左股関節の使い方とは全く異なります。 節の手前での体幹エネルギーとして、塊として動き続けるという意味では、この選手も現代型の最先端スイングかもしれません…。




さて、本題のルックアップですが、ここまで説明した様に、体幹の役割がハンマー型とムチ・振り子型では全く違うのは理解して貰えたかと思いますので、もう答えはお分かりか?と思います。 ハンマー型になると、節を境に体幹とクラブが別の動きをし、その現れとしてハンマー型のインパクトはアドレス時よりも前(身体が左に回転した先)になるので、ルックアップが起こるという事です。 しばらく前にゴルフ雑誌で、現代型のスイングへのアップデートに取り組んでいる片山晋呉選手のコメントとして、 「動き続ければいいのだから楽ですね!」 みたいなのがありました。流石は片山選手、実に的確な表現だと思います。 私も10月の奈良グレージレッスン会の後に、肘と肩甲骨を節にする事を意識してボールを打ってみたら、面白い結果が得られました。


10/26 グレージレッスン会の後に肘と肩甲骨を節にしてトライ 別にルックアップを意識した訳ではなく、どちらかというと先の片山選手のコメントの様に、節の向こうには関わらないという約束事を意識して、節の手前である体幹を動かし続けてスイングのエネルギーを作る事にトライしました。 その結果、ルックアップ気味の動きとなり、フォロースルーの抜ける位置がかなり低く左に振り抜けています。 身体の中に軸を作ってムチを打つインパクトだと、ムチが長くなる仕組みで腕とクラブが一直線となって手元が浮き上がり、フォロースルーも高い位置への抜けとなってしまいます。 さてルックアップと言えば、やはりこの方、デビッド・デュバル選手。ちょうど、私がレッスンの仕事をスタートして、ゴルフの研究を始めた頃のヒーローでした。

あらためて見るデビッド・デュバル選手のスイング


デュバル選手は1990年代後半から台頭して、1999年には世界ランキング1位の座に上り詰め、同年のツアー競技で59ストロークもマーク。2001年に全英オープンでメジャー初戴冠を果たし、秋には御殿場で行われたワールドカップにタイガー・ウッズとベアで米国代表として参加。その後の宮崎で行われたダンロップフェニックストーナメントでもプレーし見事優勝しています。


当時の中ではチタンドライバーとやや大き目のキャビティアイアンを使っていて、その頃活躍していたベテランツアー選手から見たら、かなり前衛的なプレーヤーだったと思われます。


特徴としては、ストロンググリップでのシャットフェース。テークバックの軌道を見ても、始動からハーフバックまではややアウトサイド気味で、クラブを左に見る感じが出ています。


コッキングが深目なので、切り替えしてからは背中側にクラブを預ける感じがありますね。

 

それに対して、体幹のスムーズな回転が特徴的。この頃のデュバル選手のスイングを「ストロンググリップでシャットフェースにしてボールを捕まえて身体の回転で逃がしていく」なんていう解説がありましたが、こうして考えていくと、何だかよく分からないですね…。


過去の名選手でも、時代や手にするクラブに関係なくハンマー型は居ます。


日本のハンマー型はこの方。先日、札幌のMRゴルフセンターで古いレッスン書を手にしたら、パラパラ写真でのスイング連続写真があり、そのハンマー型の見事なスイングに感動しました!


ポパイと呼ばれデビュー戦優勝から4戦3勝し年間6勝と華々しく日本プロゴルフ界に登場した永久シード選手とは?


と言う事で、あとひとつ残った節である手首の話しの前に、今回はいろいろなプロゴルファーのスイングを見ながら、ハンマー型について考えてみました。




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